日本は、木の国。山の国。
私たちの祖先は古くから山に入り、木の恩恵を受けて暮らしてきました。いまでも巨樹は神木として祀られ、千年以上の風雪に耐えた古寺の荘厳さは私たちの心をとらえます。日本の文化は木の文化です。
そんな私たちにとって、どっしりとした大黒柱に太い梁、木の香ただよう木造の住まいは、単なるあこがれ以上のもの。心の原風景と言えるかもしれません。
新産住拓は、そんな木の住まいにこだわり、木造住宅ひとすじに歩いてきた会社です。

新産住拓で使っている木材はすべて国産。球磨川流域の山林で、秋から冬にかけて伐り倒した杉を、葉をつけたまま太陽と風の自然エネルギ-で乾燥させ、粗挽きした後、さらに1年かけて天然乾燥させたものが、住まいの素材となります。
なぜ、そんなに手間ひまをかけるのでしょうか。理由はただ一つ、「住む人にとって、いいことだから」 じっくりと天然乾燥させた杉は、香りがよく艶があり、年をとるほどに味わいを増します。しかも、カビがはえず、虫がつきにくい。また、強度が劣化しないと、いいことづくめなのです。
いいことづくめの、近くの山の天然ムク材の住まいづくり。しかしそれを、軌道に乗せることは、口で言うほど簡単ではありませんでした。
まず、外国産の木材に比べて、国内産が若干割高だったのは事実です。生産地→原木市場→製材所→木材市場→問屋→工務店という、長い流通過程もネックになっていました。
いくら本物の木造住宅が素晴らしくても、外材に比べて高いのではお客様に喜んでいただけません。木材の流通機構は複雑で、古い商習慣があり苦しい経験もしました。
そんな時、3人の仲間との出会いから、新しい木材流通システム構築が出来ました。
その3人の仲間とは泉林業社長・泉忠義氏、尾方製材会長・尾方猪八郎氏、そして、創業社長の小山幸治氏です。
熊本地方の方言で、「もっこす」という言葉があります。意地っ張りとか、頑固とかいう意味です。出会った3人に共通していたのは、まさにその「もっこす」ぶりでした。
泉忠義氏は、15歳から山林業ひと筋。地元の山は知り尽くしておられます。この方が、長年こだわってこられたのが、先に述べた"秋から冬にかけて伐採した杉を、葉をつけたまま乾燥させる"、いわゆる「伐り旬の葉枯らし」という方法でした。
じつは、これは、自然の理にかなった昔ながらの知恵。秋から冬は木の水分が少なく、また、葉をつけたままだと乾燥が促進されるため、カビや腐りが入りにくいという、木の特性を生かした乾燥法です。しかし、伐ってすぐ市場に出せないため、古いやり方だと、無視されてきたのです。この方法に、泉社長はあえてこだわり続けてこられました。
尾方会長は、周囲の製材所が次々と廃業していく中で、木を愛し、黙々と木を挽き続けてきた人。どんな細かい注文でもこなすという腕と誇りを持っておられます。

そんなお二人と、国産材にこだわり、まわりから何を言われても方針を曲げなかった小山は、すぐに意気投合。
"必要な木材を必要なだけ揃えてくれる、最強の山元"と、"必要な部材を必要な寸法に挽き方を頼める、名人かたぎの製材所"を得て、新産住拓の「人と環境にやさしい住まいづくり」は大きく一歩を踏み出したのです。
泉林業という素材生産業者との出会い、それと並行した、木材乾燥センタ-と、プレカット工場を建設しました。
多良木の木材乾燥センタ-では、3万平方メ-トルの敷地に、7千立方メ-トルの木材(原木ベ-スで1万立方メ-トル)をストック、1年余りかけてゆっくりと天然乾燥させています。人工的に急激に乾燥させるのと違い、四季を通じて太陽と風によって徐々に乾燥、醸成された木は肌の色もつややかで、大切に手入れしてやれば百年以上も生きることができます。
プレカット工場では、人間の手に近い複雑な加工ができる機械を導入、かって匠と呼ばれる職人達が、手作業で時間をかけて行っていた、様々な木材加工が短時間で可能になりました。時間とコストを削減しつつ、手づくりの繊細さは失わない。
建築現場の要望に合わせ、規格品にはないキメの細かい仕事をする。そのために、自前のプレカット工場は、ぜひとも必要なもののひとつだったのです。
「近くの山の木で住まいづくりを」と聞いて、環境破壊だ、と言う方がいらっしゃいます。森は大きく2種類に分かれます。確かに原生林(自然林)は保護すべきです。しかし、戦後植林された人工林は、適度なサイクルで伐採、植林をくりかえさなければ、CO2を吸収しなくなり、山が荒れてしまいます。
近くの山の木を使う"木づかい"の住まいは、地球温暖化防止に貢献し、環境を"気づかう"住まいです。

また、「伐り旬、葉枯らし」という方法や天然乾燥では、現地で木を乾燥させるため、輸送の際の重量が軽くなり、車の排気ガスを減らすことにつながります。
さらに、近くの山の木を95%使っている弊社では、原木運送時間は山から製材所に1時間内外、運送用のトラックの化石燃料も節約できます。"近くの山の木"の住まいは、自然にとっても、やさしい住まいなのです。
私共は、天然素材にこだわり、百年経っても丈夫で美しい、耐久性の高い住まいづくりを目指しています。その根底には、「住宅は個人資産であると同時に、貴重な社会資産である」という考えがあります。
子から孫へ、孫からひ孫へ、百年にわたって使うことのできる住まいは、社会にとっても貴重な資産です。
そして最も大切なことは、そこに住むことによって、「住まいがいつまでも美しく丈夫であるように」と心がけてくらす気持ちが生まれること。それはモノを大切にし、環境について考えることにつながります。そして、そこからは、自然と人間が調和した暮らしの知恵が生まれます。
新産住拓のスタッフ一同は、美しい地域社会のあり方に、住まいづくりを通し、これからもずっと真心こめてかかわっていきたいと考えています。



































































