地震・台風に強い家

HOUSING GUIDE

熊本地震で倒壊・瓦の崩落ゼロ、
自然災害に強い住まい。

2016年4月。
「大地震は来ない」と言われていた熊本の街を、2度の大きな揺れが襲いました。

新産住拓が50年以上にわたって熊本の街につくり続けた、6,000邸を超える住まい。
揺れによって倒壊した住まいは、1邸もありませんでした。
2000年に導入した「新しい屋根工法」の住まいは、瓦の崩落もありませんでした。

私たち新産住拓が真摯に取り組み続けた、命と財産を守る住まいづくり。
その原点は、1995年、神戸の街での経験です。

地震に強い住まいづくり、原点は1995年・神戸。

1995年1月17日に発生した、阪神・淡路大震災。
神戸市などを中心に104,906棟の住宅が全壊し、6,434もの尊い命が犠牲になりました。
亡くなった原因の多くは、倒壊した住宅の下敷きになったことでした。

当時、新産住拓の設計顧問であった中村泰助先生は、神戸にお住まいでした。
新産住拓のスタッフは、現地の状況確認とボランティアのため、神戸へ向かいました。

当時の新産住拓と同じ仕様で建てられた中村先生のご自宅は、幸い、被害は軽微でした。
木造住宅の安全性が不安視されていましたが、
一定の基準で建てられた建物は、ほぼ被害が無いことも分かりました。

しかし、いたるところで建物が崩れ落ちた街の惨状を、私たちは目の当たりにしたのです。

安全なはずの住まいが、人の命を奪ってはならない。
熊本に戻った私たちは、耐震構造の基準を1から見直し、
これまで以上に地震に強い住まいを追求しました。

耐震等級3は当たり前、+αの対策を。

私たち新産住拓の住まいは、国が定める耐震基準の最高レベル「耐震等級3」を、標準仕様としています。

耐震等級3について

耐震等級とは、国が定める住宅性能表示制度に基づき、住宅の耐震性能をランク分けしたものです。
等級1は、建築基準法に定める耐震基準(2000年基準)を満たすもの。
最高レベルの等級3は、等級1の1.5倍の強さとなり、防災の拠点となる消防や警察などの建物の耐震性と同等です。
2016年の熊本地震後、益城町中心部で行われた調査では、耐震等級3を取得した木造住宅は
無被害または軽微な被害に収まったことが分かっています。

熊本地震における木造住宅の建築時期別の損傷比率(建築学会によって実施された益城町中心部における悉皆調査より)

出典:国土交通省・熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会報告書

また、住まいの耐震性を高めることができる素材・工法は、
国の基準に定めていないものも、積極的に採用しています。

  • 直下率60~65%以上、
    建物全体のバランスを考えた構造。

    直下率とは、1階と2階の柱や壁が
    同じ位置にある割合のことです。
    この割合が高いほど、建物全体の
    バランスが取れた、地震に強い家になります。
    柱の直下率は50%以上、壁の直下率は60%以上が
    望ましいとされていますが、
    耐震等級や建築基準法では規定されていません。

    新産住拓は、柱の直下率を60%、
    壁の直下率を65%以上確保。
    同じ耐震等級3でも、地震による倒壊リスクを
    より低減します。

  • 独自の木材流通システムが実現する、骨太の柱。

    建物の要である大黒柱には8寸角(24cm)、
    1・2階を通して住まいを支える通し柱には
    5寸角(15cm)の天然乾燥材を採用。
    建築基準法で定められた3.5寸角(10.5cm)の
    柱を上回る構造です。

    通常、入手が難しい骨太の柱は、
    木材の流通・加工を自社グループで行う新産住拓だからこそ実現できるものです。

  • 日本伝統の
    「長ほぞ差しコミ栓打ち」。

    「ほぞ」とは、
    木材どうしをつなぎ合わせる部分のこと。
    柱と土台の結合部など、
    建物の強度を大きく左右する部分です。

    新産住拓では、通常の1.5倍~2倍の長さとなる
    「長ほぞ」を採用。
    さらに、2つの木材を固定する「コミ栓」を打ち込み、柱が抜けることを防ぎます。

2016年の熊本地震において、新産住拓の住まいは、揺れによる倒壊が1邸もありませんでした。
これまでの耐震に対する取り組みが、実を結んだものと考えています。

台風でも、絶対に飛ばない屋根瓦を。

熊本の街を襲う災害は、地震だけではありません。
毎年のように上陸・接近する台風にも、対策が必要です。
建物の強さに加え、「屋根瓦が崩れないこと」が、とても大切です。

1999年9月、熊本に大きな被害をもたらした台風18号。
県内でおよそ1,800棟もの住宅が全壊・半壊しました。
幸い、新産住拓の住まいに全半壊の被害は無かったのですが、
多くのお客様から「屋根瓦が飛んでしまった」という連絡が相次ぎました。

私たちは、お客様の屋根の復旧を急ぐと同時に、暴風に耐えられる屋根の施工方法を研究。
熊本以上に台風の多い鹿児島・宮崎で行われている
「瓦全数ステンレスビス留め工法」を標準採用しました。

ステンレスビスは、一般的に使われるスクリュー釘に比べ、
引き抜くのに2倍の力が必要。

このビスで屋根と瓦を強固に結合し、「絶対に飛ばない瓦」を目指しました。
新しい工法を採用した住まいでは、その後20年にわたり、
台風による瓦の被害は発生していません。

また、2016年の熊本地震でも、瓦が落ちることはありませんでした。
暴風に耐える屋根は、激しい揺れにも耐える屋根だったのです。

今から20年ほど前、
私たち新産住拓の安全・安心への取り組みを、
ある書籍で紹介いただくことがありました。

その中に、創業者・小山幸治の、このような言葉が残っています。

熊本で大規模な地震が起きるかどうかはわかりません。
しかし、そのときになって後悔しても遅いわけで、
現時点で打てる手はすべて打っておくことが、
お客様に対する私たちの責務だと考えます。
(2000年・PHP研究所「21世紀の住宅・不動産ビジネス、成功への道」)

そのときに後悔しないため、打てる手はすべて打つ。
熊本の住まいを災害から守るため、 私たちはこれからも、
より強い住まいを追求し続けます。